映画『大長編 タローマン 万博大爆発』を観に行った。素晴らしかった。
なにが素晴らしかったのか。まず、タローマンが応援されればされるほど、頑張らなくなるのが素晴らしい。「頑張るな!」って言われると逆に頑張るところにぐっとくる。私もそうでありたい。かつては中学生のころの中間テスト前、こんなふうに過ごしていた気もするので、気合いを入れ直せばできるだろうか。できるかな。いや、残念だがもうできないかもしれないな。応援されたらうっかりキリッとしちゃって、全力で頑張ってしまいそうだ。
それから、登場人物の動きが意図的にぎこちないのも素晴らしかった。この画質を令和で実現させるには、逆に技術が必要なんじゃ?って感じにもぞくぞくした。
あえて雑、あえて粗い、あえて不自然、みたいなことをぎりぎりのバランスで成立させている。だから、画面が変わるたびになんじゃこりゃ???ってなる。技術力の賜物。めーっちゃかっこいい。
なにより、名言っぽい言葉のあとにいちいち「〜と岡本太郎も言っていた」という台詞を挟むことで、すべての名言の湿度がぐーんと下がり、からっとしたものに昇華されていくのが気持ちいい。
「〜と岡本太郎も言っていた」の一言は、カビから布団を救う、布団乾燥機みたいな救世主だった。そのうえで私は、「受け止めるのも、受け止めないのも、あなたの自由ですから」って言われている気がした。だってこれは、あくまでもでたらめの世界のなかでの出来事だから。現実とリンクさせるも、させないもあなたの自由の範疇だから。
と、もっとでたらめな感想文を書きたかったのにうっかりでたらめから若干距離のある感想文になってしまった。ともあれ秀逸なでたらめを堪能した。いい時間だった。
なのに。それとほぼ同時進行で、現実の世界で、悪い意味でのでたらめみたいなことが起こっているのが、ほんとうに腹立たしい。なんなんじゃ。でたらめは、タローマンみたいな感じのやつだけにしておいてほしい。これ以上世界が、というか日本の情勢が悪い方向に沈んでいきませんように。

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